

新商品のご案内 短刀 銘 大慶直胤作之(花押)天保七年仲春
鎌倉相州伝の開祖新藤五國光を念頭に精鍛された短刀は、身幅重ね尋常で、僅かに内反りが付き自然にふくらが枯れ、鎌倉時代の名短刀(注②)を想わせる姿。差裏に所持者の注文によるものであろう、阿弥陀如来を意味する梵字が荘厳に映える。作者は大慶直胤(たいけいなおたね)で、江戸後期に活躍した名工の一人。水心子正秀の高弟で、備前と相州両伝の名品を遺した。


新商品のご案内 脇差 銘 大和守源信貞 防州岩國住安部平右衛門作之(切付銘)野中和泉守様
この脇差は、身幅が広く反り高く中鋒の元禄新刀体配で、鎬地の肉が削がれて鎬筋が強く張り、刃の通り抜けの良さが追及された、まさに治にあって乱を忘れぬ武士好みの構造。作者は江戸前期寛文から元禄頃にかけて岩国で活躍した大和守源信貞。


新商品のご案内 脇差 大磨上無銘 古宇多 重要刀剣
江戸時代前期に大小揃いの脇差とするために磨り上げた脇差。姿に安定感があり、しかも物打辺りに元来の大太刀の原姿を留めて張りが感じられる。鍛え肌が強く則重風の趣が展開。國光を初祖とする宇多派は、手掻包永に学んだ大和伝を基礎としながらも、相州伝を採り入れて沸の妙なる働きを展開した作風を特徴としている。専ら北国地鉄と称される黒味のある鉄をねっとりと詰んだ鍛えとしており、特に古宇多と極められた作は地鉄の様子にも変幻の妙があり、時代の下がった所謂宇多物とは格段の差違がある。


新商品のご案内 短刀 銘 武蔵大掾藤原忠廣 寛永五年二月吉日(最上大業物)
忠廣 円熟の技が遺憾なく発揮された寛永五年二月吉日紀の優品。武蔵大掾忠廣は初銘を肥前國忠吉といい、肥前藩主鍋島勝茂侯に仕えた刀工。元和十年に武蔵大掾を受領して忠廣と改銘している。忠廣の地鉄は、古刀期からの作刀であるが故に詰み過ぎることなく古色があり、焼刃にも独特の自然味が漂い、嫡子近江大掾忠廣以降の完成された作風とは趣を異にする味わい深いものである。


新商品のご案内 刀 銘 長州住潜龍子盛秀造之 文久三年文久三年亥二月日
攘夷決行への機運が最高潮に達した文久三年二月の一振。作者の潜龍子盛秀が仕えた長州藩は攘夷の急先鋒で、文久三年に幕府から攘夷決行の言質を引き出し、五月には下関を通った米、仏、蘭の艦船を砲撃している。長州武士の意地と覇気を世界に示した事件であった。 攘夷の熱情に応えた潜龍子盛秀が精魂込めた雄刀で、未だかつて経眼したことのない大作。盛秀の作刀生涯中の最高傑作と言い得よう。