日本刀の販売買取のご相談は日本刀専門店 銀座⻑州屋
1970年創業
銀座長州屋
日本刀・刀装具 専門店
2434
千鳥図鐔 銘 木田正喜〔金印上田〕
Masayoshi
土屋安親は群れる千鳥を個性的意匠で文様表現したことで遍く知られている。
その美観追及の意識は後の多くの金工に影響を与えたものと思われ、この紀州金工上田正喜(まさよし)も独創的な千鳥の図を追い求め、類例稀な表現とした。質の異なる鉄地の合わせ鍛えに腐らかしの手法と打返耳で、寄せては返す波の様子を全面に浮かび上がらせ、波間に飛翔する千鳥の姿を丸みのある高彫として目玉にのみ金象嵌を施している。
ピンと響く地鉄は色黒く、ねっとりとした光沢があり、筋立つ鍛え肌は耳の周囲にも表れ、しかも割れることなく殊に美しい。正喜は後藤常正に学んで独立、紀州徳川家に仕えた名工である。
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330,000
2374
黄石公・張良図鍔(鐔) 無銘 彦根
Hikone
左手で龍の角にしっかり掴まり、右手を高く掲げて沓を差し出すのは後に前漢を興した劉邦の軍師となった張良。
橋の上、馬上より それを厳しい表情で見つめる人物は秦末の隠者黄石公である。秦の始皇帝暗殺に失敗した張良が身を隠していた際に黄石公と出会い、試練を経て兵法書を授かるという故事を基にした謡曲の一場面。長幼の序、忍耐、精進、勇気という武士の規範を表すこの画題は装剣小道具に好んで採られた。
藻柄子宗典派らしい躍動感のある肉彫り地透を金銀素銅の象嵌が彩る。宗典派は居住地から彦根彫りの呼称があるが、本作は無銘ながら彦根の巧技が余すところなく発揮されている。
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200,000
2274
桜花五重輪散帆掛舟図鐔 銘 貞栄
Tei ei(Sadanaga Hazama school)
独特の風合いを示す砂張(さはり)象嵌(ぞうがん)を駆使した間(はざま)派の鐔は、表裏違った図とされることが多い。
この鐔も、帆掛舟と桜の採り合わせで、同心円は春爛漫の空気感の表現と捉えるべきものか、鑑賞者の感性が問われる作品となっている。
鉄地に瀟洒な文様を彫り込み、砂張を象嵌する技法は鉄炮の装飾技術に始まると伝える。
本作も、熔けた砂張の収縮による微妙な凹凸が、自然な景色を生み出している。
近江国友村出身の貞栄(ていえい)は間派を代表する名工で、伊勢亀山、山城、下総と、主家に伴って各地で活躍している。
特別保存
550,000
2090
月下繋馬図鍔(鐔) 無銘 柳川派
Yanagawa school
銀色に輝くのは十八夜か、それとも十九夜の月であろうか。薄野原を照らす冴え冴えとした月明かりの下、馬が一頭草を食んでいる。裸馬ではあるが、放れ馬ではない。馬を繋ぐ綱は鐔の耳から裏側へまわり、朽ち木に括り付けられている。旅の途中であろうか、何か物語を感じさせる情景である。小肉のついた耳にまで撒かれた微細な魚子は整然として美しい。量感のある高彫の馬は、大きな目が印象的。柳川派の特徴を示す豊かな鬣と引き締まった力強い体躯をしている。柳川派の祖である直政は、横谷宗珉の直門。横谷式の赤銅魚子地高彫を得意とした。続く直光、直春、直連ら本家の頭領をはじめ門人達も代々その技を受け継いで栄えた。
保存
220,000
1079
鳩に鏃図鍔(鐔) 銘 後藤光久(花押)
Mitsuhisa
切込みの浅い木瓜形を打ち返し耳とした一乗派が得意とする造り込み。陶板のように光沢のある鉄地に は鳩と鏃の高彫象嵌。空には棚引く雲が金と赤銅の直線で簡潔に表わされている。写実的な鳩と鏃との異なる表現方法が興味深い。鳩は八幡宮を、弓矢は八幡太郎義家、あるいは武士そのものを連想させるが、本作は弓矢ではなく散らばった鏃である。一乗派には朽ちた木材や古瓦を散らし置いた図の鐔がある。光久も得意とした画題で、動乱の時代の影響か、無常観や寂寥感、郷愁を誘う。制作年はわからないが、本作もやはり世情を反映して、一つの時代の終わりを暗示しているのではないか。そう考えると大和絵風の雲にも何か含みがあるようにも思われる。光久は後藤一乗の兄是乗(光凞)の子で治左衛門家の六代目を襲った。一乗に似た作風の上手である。
特別保存
230,000
2430
汐汲図鐔 銘 元堂〔敏行金印〕
Tetsugendo SHORAKU
鉄元堂(てつげんどう)正楽(しょうらく)は夕立に遭遇した市井の人物を彫り描いた作品を多数遺している。
そこには人の出会いが表現されており、江戸中期の金工としては画期的な図案であった。この鐔も、海辺で働く汐汲みの女と山 から薪を切り出してきた男の出会いを主題とした作。
両者の接点は塩を煮詰める汐屋に他ならない。鉄地を鋤き込んで陽の西に傾いた山間を、足元には寄せ来る波を彫り表して背景を鮮明にしている。二人の人物は彫口高く、金銀の象嵌(ぞうがん)が濃密でしかも精巧。
裏面の磯慣松も効果的。鉄元堂正楽は、この出会いを鐔上での物語にまで高めたのであった。
特別保存
600,000
2422
唐草図鍔(鐔) 無銘 古金工
Ko-kinko
赤銅といっても差し支えないのでは、と思うほど黒味が強く、ずしりと重い手応えのある鐔。文様の隙間を埋めるのは、やや大きめの古風な石目地。時代の上がる鐔によく見られる角形の小柄櫃と山形の笄櫃を備えている。素朴な石目地を背景に浅く鋤き出された葵の葉と梶の葉が浮かび上がり、所々に散らし置かれた金銀の露象嵌が控えめに輝く。葵は「逢ふ日」の掛詞。梶の葉は七夕にちなむ。年に一度牽牛星と織女星が逢うことができる七夕。その夜に梶の葉に和歌や願い事を書くという習わしがあった。武人の持ち物故猛々しいものが好まれるのかと思いきや、装剣小道具には雅やかな画題も数多くある。柔らかい素材故に450年の星霜を経て角耳の円周部の殆どに当たり傷がある。
保存
150,000
























