日本刀の販売買取のご相談は日本刀専門店 銀座⻑州屋
1970年創業
銀座長州屋
日本刀・刀装具 専門店
2374
黄石公・張良図鍔(鐔) 無銘 彦根
Hikone
左手で龍の角にしっかり掴まり、右手を高く掲げて沓を差し出すのは後に前漢を興した劉邦の軍師となった張良。
橋の上、馬上よりそれを厳しい表情で見つめる人物は秦末の隠者黄石公である。秦の始皇帝暗殺に失敗した張良が身を隠していた際に黄石公と出会い、試練を経て兵法書を授かるという故事を基にした謡曲の一場面。長幼の序、忍耐、精進、勇気という武士の規範を表すこの画題は装剣小道具に好んで採られた。
藻柄子宗典派らしい躍動感のある肉彫り地透を金銀素銅の象嵌が彩る。宗典派は居住地から彦根彫りの呼称があるが、本作は無銘ながら彦根の巧技が余すところなく発揮されている。
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200,000
2274
桜花五重輪散帆掛舟図鐔 銘 貞栄
Tei ei(Sadanaga Hazama school)
独特の風合いを示す砂張(さはり)象嵌(ぞうがん)を駆使した間(はざま)派の鐔は、表裏違った図とされることが多い。
この鐔も、帆掛舟と桜の採り合わせで、同心円は春爛漫の空気感の表現と捉えるべきものか、鑑賞者の感性が問われる作品となっている。
鉄地に瀟洒な文様を彫り込み、砂張を象嵌する技法は鉄炮の装飾技術に始まると伝える。
本作も、熔けた砂張の収縮による微妙な凹凸が、自然な景色を生み出している。
近江国友村出身の貞栄(ていえい)は間派を代表する名工で、伊勢亀山、山城、下総と、主家に伴って各地で活躍している。
特別保存
550,000
2168
蕪に蝶図鍔(鐔) 無銘 江戸肥後
Edo higo
蕪と蝶は古くから陶磁器や着物の文様として目にする画題である。不思議な取り合わせだが、古語で「頭」のこと を「かぶ」と発音したことから蕪は出世の象徴。蝶は中国語でhudie。発音の一部dieが老年を意味する耋dieと音が通じることから長寿の象徴とされたという。
大振りの撫角形は鍛え良く、ゆったりとした趣。蕪は金の布目に銀の布目を厚く重ねた凝った仕上げ。手に持って角度を変えると銀の間からきらきらと金が覗く。踊るような葉は、葉脈に細かく金布目象嵌を施したものと葉先にぼかすように異なる色調の金で布目象嵌を入れたものの二種で表と裏、陰と陽を表す。打ち込まれた鏨が地紋のようにも見え、そこに薄く鋤き出された蝶が舞う。繊細な文様は三種の金による布目象嵌。江戸肥後とは、仙台出身の熊谷義之が江戸四谷に出て肥後細川家の抱え工となったことからついた熊谷一派の呼称。金銀の布目象嵌を多用した華やかな作風で人気を博した。四谷肥後とも呼ばれた。
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160,000
2159
若松紋散図鐔 銘 東雲斎渡邊壽光作
Toshimistu(Toryusai school)
渡邊壽光(としみつ)は江戸後期に隆盛した東龍斎清壽の門人。木賊(とくさ)を耳に廻らした鐔、新趣の菊花尽し鐔、雪花文鐔、匂うような蘭の花を散らした鐔等(注)、写実味のある文様表現を得意とした名工。本作は、若松を組み合わせた繊細な線描写が美しい家紋散しの図。極上質の赤銅地はあらゆる光を吸収してしまうかのように色合い黒々として、金による家紋とは陰陽の対極にある存在。大粒に蒔かれた魚子は一糸乱れず整然とし、高彫された家紋はふっくらと丸みがあって上品、金の色絵が鮮やかに映えている。
特別保存刀装具鑑定書
五十万円(消費税込)
注…いずれも『銀座情報』掲載品。
特別保存
500,000
2089
乗牛読書図鍔(鐔) 銘 米澤住重斯
Shigenori
牛の背に後ろ向きで座り読書する人物は、中国の隋末に割拠した群雄の一人、李密(582年─619年)。官職を辞し、史記や漢書を学んでいた時期の姿である。大振りの竪丸形は空間を贅沢に使い、ゆったりとした趣。うっすら鋤き出された雲が流れ、重なり合った唐松の高彫には金象嵌の松毬が輝く。なだらかに柔らかく盛り上がった李密と牛の高彫。牛の背にはうっすらと背骨が浮かび、読書に熱中する主人を気遣うかのように見上げている。
裏は寂びた余韻を残す楼閣山水図。会津住重斯、または米 澤住重斯と刻銘した菊池重斯には、薪を背負って読書する朱買臣図鐔(銀座長州屋蔵)という作がある。「ながら読書」は学習意欲が庶民層にまで浸透した江戸時代後期の世相の表れかもしれない。
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170,000
2027
三聖吸酸図鍔(鐔) 銘 直丈
Naotake
過剰と思えるほどの装飾だ。点景、背景、装束の文様が色味を変えた金象嵌で隙間を埋め尽くすようにちりばめられている。この作品の主題を装飾に埋もれさせて隠したがっているのではないかと思うほどだ。
大振りの鉄地竪丸形の中央に薄肉彫りで酢の入った大甕を据え、それを囲むように釈迦(仏教)、孔子(儒教)、老子(道教)の三聖人が立っている。何やら楽しそうで、特に中央の釈迦は歯を見せて大笑いしている。「三聖吸酸(さんせいきゅうさん)」または「酢吸三教(すきゅうさんきょう)」と称されるこの図は、誰が舐めても酢は酸っぱいように、教義や宗教が違っても真理は一つであるということをわかりやすく表している。室町時代に中国から伝えられたこの図は禅画で好まれ、後に寺社建築の彫刻にも採られている。裏側は鋤き出された岩の間を清冽な水流が迸る。清らかな水の流れを遠近、高低で奥行きを出した金象嵌の草木が鮮やかに彩っている。
武陽住と銘する直丈は、作品の類例は少ないが、本作の見事な象嵌技術や表情豊かな人物描写を見れば優れた金工であったことがよくわかる。
特別保存
280,000
2422
唐草図鍔(鐔) 無銘 古金工
Ko-kinko
赤銅といっても差し支えないのでは、と思うほど黒味が強く、ずしりと重い手応えのある鐔。文様の隙間を埋めるのは、やや大きめの古風な石目地。時代の上がる鐔によく見られる角形の小柄櫃と山形の笄櫃を 備えている。素朴な石目地を背景に浅く鋤き出された葵の葉と梶の葉が浮かび上がり、所々に散らし置かれた金銀の露象嵌が控えめに輝く。葵は「逢ふ日」の掛詞。梶の葉は七夕にちなむ。年に一度牽牛星と織女星が逢うことができる七夕。その夜に梶の葉に和歌や願い事を書くという習わしがあった。武人の持ち物故猛々しいものが好まれるのかと思いきや、装剣小道具には雅やかな画題も数多くある。柔らかい素材故に450年の星霜を経て角耳の円周部の殆どに当たり傷がある。
保存
150,000




















