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 戦国期、豪商から選ばれた会合衆による自治を行っていた堺では、武士を雇って傭兵とし、最新式の武器火縄銃で武装し、自治独立を謳歌していた。江戸期の堺で製造された火縄銃は、銃身に花鳥風月、霊獣、歴史物語、家紋を金、銀、素銅、真鍮の象嵌で装飾したもの、また、銃床にも獅子や牡丹などの文様を施した真鍮製の板を嵌め込んだ構造などがあり、一目で堺筒とわかる華やかさが特徴。堺では芝辻、榎並屋、嶋屋等、名立たる鉄炮鍛冶が腕を競い、砲術の諸流派の需に応えた特別仕様の作や、六匁玉十匁玉用の大筒の他、口径の小さな射的や狩猟用の銃も製作し、國友と共に火縄銃産地として最も栄えた。この火縄銃は、銃身こそ無文ながら、銃床を装う真鍮の筒金に、淀の水車図、波上を疾走する兎図、花車文、銃床部の台に牡丹図を彫り描いて堺筒らしく鮮やか。絡繰部分が健全で、柑子もふっくらとして堺筒の特色が顕著。小振り軽快な造りながら見映えよく、飾って

Sakai-zutsu

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無銘 堺筒

無銘 堺筒

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 硝煙の臭いが敵に察知され風雨で火が消えるという火縄銃の欠点を克服した、雷汞(らいしょう)を点火薬とする雷管式の銃が西洋で発案され、幕末の安政頃に管打式銃として普及した。また、洋式軍備に合わせるべく、既存の火縄銃を管打式に改造した作もある。表題の銃がその例。火縄銃は近江國(くに)友藤(ともとう)一(いち)作。帯状の鉄板(葛金)を二重に巻いて鍛接した銃身の目当、引金とも國友筒の特色が顕著。絡繰、火皿、火蓋を取り除いて火門を設け、火挟みの代わりに撃鉄を鍛接し、滑り止めの為に檜垣状の刻みを施した撃鉄を指で上げ、引金を引くとこれが火門に強く衝突して発火し、弾丸が発射する仕組み。黒々とした銃身には竹虎図と家紋の象嵌、國友又四郎昌睦(注)作の堅木の銃床には宝珠図と寶壽文字の装飾が映え、元来管打式として製造された銃にはない火縄銃らしい魅力が光る。

Toichi

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管打式銃 銘 惣鍛二重巻張 江州国友藤一作 三十一

管打式銃 銘 惣鍛二重巻張 江州国友藤一作 三十一

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 火縄銃の多くは口径10粍(mm)前後の細筒だが、実は一分玉を放つ口径四粍程の銃から五貫目玉用の口径145粍の大筒まで、用途により大きさは様々(注①)。中筒は口径15㎜から20粍程で、六匁目程の玉を放つ銃。細筒に比べて大きな破壊力がある一方、大筒にはない機動性を備えた軍用筒であった。 この中筒は深い色合いの銃床に肉厚の銃身を備え、口径1.6センチと大きく重厚感ある威容。注目するべきは火挟み。通常みる筒の多くが真鍮だが本作は鉄製。銃口部も丸みのある備前柑子で、備前筒(注②)の特色が顕著。銃身には「國友」の銘文がかろうじて読み取れ、國友彦右衛門知忠や國友戸十郎当栄、当節ら備前で活躍した國友鍛冶(注③)の作とみられ、銃身は國友筒らしく肉厚にして堅牢。健全な絡繰り付近には嵌め込まれた「無明」の二字は目当てを使って照準を合わせ、邪心なく放つための戒めであろうか。中筒の遺例は稀にて頗る貴重である。

Kunitomo(Bizen-zutsu)

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火縄銃 銘 國友(備前筒)

火縄銃 銘 國友(備前筒)

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 華麗な布目象嵌を施した火縄銃。葛紋に幔幕と新緑生い茂る植物の枝葉を意匠して春爛漫の野辺の風景を描いている。

Hinawaju

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火縄銃 無銘

火縄銃 無銘

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銃身に葵紋と鯉の滝登り図を象嵌した華やかな作ながら、寸法を控えめに操作性を高め、口径を大きくして威力を追求した中筒。火縄銃の性能の一つに破壊力がある。この銃から射出される弾丸の重量は六匁(二二・五グラム)、おおよそ五円玉六枚強に相当する。これを火薬の爆発力で発射させるためには、粘り強い素材からなる頑丈な銃身が不可欠。鉄炮鍛冶は鋼の性質を見極め、破裂の起こらない良質の鋼を合わせ鍛えたのであった。
本作の銃身は表一角と呼ばれる丸筒の上面を平にした珍しい形状で、先端の柑子は八角とし、表面に丸味を持たせる一方、最先端部には角張った八角縁を廻らしている。銃身表面には笹竹の生い茂る瀑布を遡上する鯉を銀の布目象嵌で大胆に、激流や笹竹は繊細な銀の平象嵌で表現している。加えて、滝より飛び散る水飛沫を意図したものであろう火鋏には通常ではまず見られない銀の点象嵌がふんだんに施されている。

Chu-zutsu (Hinawa-ju)

850,000

中筒火縄銃 無銘

中筒火縄銃 無銘
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