

新商品のご案内 短刀 銘 雲州住善博作 平成十一年神在月
久保善博刀匠は、かつて論文が米国の生化学雑誌に掲載されたことのあるバイオ研究者であった。ある日、隅谷正峯師の「鎌倉時代の名刀は一生かけても作れないだろう」の談話に触れて一念発起。平成元年に大学院を修了後、吉原義人師に入門し、平成六年に丁子乱刃の太刀で現代刀界にデビューした。


新商品のご案内 短刀 銘 國真製之 令和三年吉日(棟銘)秩父大菩薩
厚藤四郎吉光写しの一口で、作者は名工河内國平門の金田國真(くにざね)刀匠。刃長七寸二分、重ね三分六厘、茎長三寸五分で、真の棟の天井広く、本歌の造り込みに忠実。


新商品のご案内 短刀 刀身銘 於濃州信濃守藤原大道造之(初代)
関ヶ原の合戦の記憶が残る江戸初期寛永頃に活躍した信濃守大道作の短刀。大変珍しい寛永頃の大小柄を模した短刀。


新商品のご案内 刀 銘 越後守包貞(大業物)
越後守包貞は津田越前守助廣と同時代に活躍した大坂の刀工。包貞が得意とした濤瀾風大互の目乱刃は、本家の助廣に肉薄する見事さ。


新商品のご案内 脇差 銘 一肥前國出羽守行廣(二代)
反りが高く洗練味のある姿格好の脇差。作者は肥前出羽守行廣二代で、製作は元禄頃。地鉄は小板目肌が詰み澄み、地景が密に入り、小粒の地沸が厚く付いて潤い、その様子は恰も果実の断面を想わせる梨子地肌の典型。


新商品のご案内 剣 銘 将平
先端に目釘穴が穿たれた、無反りの独特の茎形をした剣。正倉院蔵の切刃造の大刀、鋒両刃造の刀や手鉾から得た閃きを温めて鍛造されたとみられる一口で、両方の刃に沿った二本の鎬筋が屹然と起ち、先端で一つに結び鋒に抜けた、引き締まって美しい姿。
作者の藤安将平(ふじやす まさひら)刀匠は昭和四十一年に宮入行平師(人間国宝)に入門。一貫して相州上工の作を念頭に作刀し、平成二年に相州伝の平造脇差で日本美術刀剣保存協会会長賞、平成十四年には古調な姿の太刀で寒山賞を受賞。古刀期の先達の作品の観察と研究から得た着想を温めながら、衰えぬ創作意欲を活力として鎚を振るっている。


新商品のご案内 短刀 銘 大慶直胤作之(花押)天保七年仲春
鎌倉相州伝の開祖新藤五國光を念頭に精鍛された短刀は、身幅重ね尋常で、僅かに内反りが付き自然にふくらが枯れ、鎌倉時代の名短刀(注②)を想わせる姿。差裏に所持者の注文によるものであろう、阿弥陀如来を意味する梵字が荘厳に映える。作者は大慶直胤(たいけいなおたね)で、江戸後期に活躍した名工の一人。水心子正秀の高弟で、備前と相州両伝の名品を遺した。


新商品のご案内 脇差 銘 大和守源信貞 防州岩國住安部平右衛門作之(切付銘)野中和泉守様
この脇差は、身幅が広く反り高く中鋒の元禄新刀体配で、鎬地の肉が削がれて鎬筋が強く張り、刃の通り抜けの良さが追及された、まさに治にあって乱を忘れぬ武士好みの構造。作者は江戸前期寛文から元禄頃にかけて岩国で活躍した大和守源信貞。


新商品のご案内 脇差 大磨上無銘 古宇多 重要刀剣
江戸時代前期に大小揃いの脇差とするために磨り上げた脇差。姿に安定感があり、しかも物打辺りに元来の大太刀の原姿を留めて張りが感じられる。鍛え肌が強く則重風の趣が展開。國光を初祖とする宇多派は、手掻包永に学んだ大和伝を基礎としながらも、相州伝を採り入れて沸の妙なる働きを展開した作風を特徴としている。専ら北国地鉄と称される黒味のある鉄をねっとりと詰んだ鍛えとしており、特に古宇多と極められた作は地鉄の様子にも変幻の妙があり、時代の下がった所謂宇多物とは格段の差違がある。


新商品のご案内 短刀 銘 武蔵大掾藤原忠廣 寛永五年二月吉日(最上大業物)
忠廣 円熟の技が遺憾なく発揮された寛永五年二月吉日紀の優品。武蔵大掾忠廣は初銘を肥前國忠吉といい、肥前藩主鍋島勝茂侯に仕えた刀工。元和十年に武蔵大掾を受領して忠廣と改銘している。忠廣の地鉄は、古刀期からの作刀であるが故に詰み過ぎることなく古色があり、焼刃にも独特の自然味が漂い、嫡子近江大掾忠廣以降の完成された作風とは趣を異にする味わい深いものである。