波に舟道具図目貫 無銘 古金工

目貫

 浜辺に打ち上げられて波に揺れる櫂や舵は、源平の舟戦、壇ノ浦の合戦を想わせる。赤銅地を肉高く打ち出し、際端を絞るように造り込んで量感をより豊かにし、高彫には金の薄板を着せ、繊細な毛彫でそれぞれの質感を高め、所々の地を透かし抜いて古金工の特徴を示している。寄せては返す波に貝を組み合わせているところは絵画的表現の高まりであろうか、銀の露象嵌も効果的。四百数十年を経ているにもかかわらず金の剥離がなく、健全度が高い。
波に舟道具図目貫 無銘 古金工