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蟻通宮図透鍔(鐔)
銘 忠重作
Aritoshi no miya zu sukashi tsuba
Signed Tadashige saku
鍔
No.
2150
特別保存
-
円(税込)
江戸時代後期 武蔵国江戸
鉄磨地竪丸形地透毛彫丸耳
縦:77.8mm 横:73.5mm
切羽台厚さ:6.2mm
耳際厚さ:5mm
上製桐箱入
Late Edo period
Edo, Musashi province
Iron
Height: 77.8mm
Width: 73.5mm
Thickness at seppadai: 6.2mm
Thickness at mimi (rim): 5mm
Kiri box
NBTHK certificate: Tokubetsuhozon tosogu
鬱蒼とした杉木立。手前に倒れ伏した馬と貴人。上手より歩み来る傘をさして灯火を持った人物。謡曲「蟻通」(*)に題を得た赤坂忠重の手になる透鐔である。鍛えよく、精良にして艶のある肉厚の鉄地は耳際でやや肉を落とし自然な柔らか味を醸し出す。鋸歯状に刻みだされた杉の木は先端鋭く、微細にして確かな描写の毛彫も味わい深い。赤坂鐔において人物を登場させて情景描写をする作は極めて少ない。赤坂歴代工のなかで、四代忠時以降最も優れた工人と評される忠重の貴重な一枚である。
(*)紀貫之は、和歌の神を祀る紀伊国玉津島明神に詣でる途中、突然の豪雨に見舞われる。乗っていた馬も倒れ、全く動かない。途方に暮れていると宮守が現れ、蟻通明神の社地を下馬せずに通ろうとした咎めであると言う。貫之が歌人であることを知ると宮守は、和歌を奉じて詫びると良いと勧める。貫之が「雨雲の立ち重なれる夜半なれば、蟻通しとも思うべ きかは」と即興で歌を詠むと宮守は感心し、和歌の徳によって神は宥められ馬は再び立ち上がる。宮守は神楽を舞って貫之を寿ぎ、自分は蟻通明神であると告げて姿を消す。夜が明けると貫之は玉津島神社に向け旅立っていく。
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