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祇園忠盛図鐔 無銘 水戸金工

Mito

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Mito

祇園忠盛図鐔 無銘 水戸金工
江戸時代後期
四分一磨地竪丸形片切彫毛彫金平象嵌高彫据紋
縦:76.8mm 横:75.4mm
切羽台厚さ:4.3mm 耳際厚さ:4mm
上製桐箱入

Late Edo
Hitachiprovince Mito
Shibuichi
Height :76.8mm Width : 75.4mm
Thickness at seppa dai: 4.3mm
Thickness at rim : 4mm
Kiri box
Tokubetsu Hozon

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円(税込)

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623

 日本を二分した源氏と平氏の戦いは、平清盛亡き後、源義経の活躍により源氏が勝利し、鎌倉を拠点として武家政権の樹立を目指した源頼朝が征夷大将軍に任じられた。遡ること七十数年、清盛の父、平忠盛が平氏隆盛の基盤を固める足掛かりとなった事件が起こる。時の権力者白河法皇は祇園社の近くに住む寵愛の女性、通称祇園の女御を度々訪れていた。ある五月雨の夜、法皇は忠盛をはじめ数人の護衛を連れ女御のもとへ向かった。一行が祇園社の辺りまで来ると石灯籠の陰に怪しい人影が浮かび上がっている。針のように鋭い髪の奇怪な姿をして、手には光る金物。鬼であろうと恐れ慄いた法皇に討ち取るよう命じられた忠盛は、冷静に相手を観察し、刀を抜くことなく素手で生け捕りにした。忠盛が捕らえたのは鬼でも狐狸でもない、灯籠に油を注ぐ社人であった。針の髪と見えたものは雨除けに被っていた笠である。法皇は無益な殺生を避けた忠盛の沈勇を賞し、後に祇園の女御を忠盛に賜った。深い夜の闇を表す四分一磨地に細い金線平象嵌で吹き付ける雨を表し、表側では破れた笠を被った男が武人と思しき男に取り押さえられている。武人の厳しい表情と身のこなし、男の恐れ慄く様が見事に彫り描かれている。辺りには油入れと皿、沓、下駄が散らばり、裏側を見ると灯籠が一基立っている。背景は片切彫りと毛彫のみ、暗闇の中で展開する主題を際立たせる心憎い演出である。
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