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月下波濤和歌図 鐔

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銘 佐藤義照花押

Tsuba "Gekka hatoh, waka"

Signed Sato Yoshiteru(Kao)

No.

628

月下波濤和歌図 鐔 銘 佐藤義照花押

特別保存

-

円(税込)

江戸時代後期 山城国京都
鉄地撫角形鋤出高彫象嵌鋤残耳

和歌:憂きことのなほこの上に積もれかし限りある身の力ためさん

縦:79.2mm 横:73.3mm
切羽台厚さ:4.1mm 耳際厚さ:4.3mm
特製桐箱入
特別保存刀装具

Late Edo Yamashiro province Kyoto
Iron

Poem :
"Sad events repeatedly come to me.
I don't know my limits right now, but I'll try as much as I can."

Height : 79.2mmWidth : 73.3mm
Thickness at seppa dai : 4.1mm
Thickness at rim : 4.3mm
Specialkiri box
Tokubetsu Hozon

 佐藤義照は文政十一年京都の生まれ。荒木東明に学び、後に佐藤東峰の弟子となって修行し、二十四歳の時佐藤家の女婿となった。佐藤家は伏見宮家へ出入りして帯刀を許されている家柄であり、義照は孝明天皇の太刀の彫刻を拝命し製作した功績がある。
 一乗派の鉄鐔に見られる広狭変化に富んだ鋤残し耳に縁取られた本作。棚引く雲間から冴え冴えと輝く銀象嵌の月が照らすのは、ぶつかり合う激しい波。波頭の先端が上へ上へと伸びる無数の手のようにも見える。金銀の布目象嵌を散り置いた裏面を砂子や切箔を置いた料紙に見立て、流麗な書体で刻されたのは、「憂きことのなほこの上に積もれかし限りある身の力ためさん」江戸時代初期の陽明学者 熊沢蕃山の詠んだとされる和歌である。大阪正宗と尊称された刀匠井上真改の名付け親でもある蕃山は、真改とは陽明学者中江藤樹の同門であり、藤樹の没後は師でもあった。備前岡山藩主池田光政に仕え、治山・治水、救民に治績をあげるが、幕政を批判したとして晩年は古河藩預かりの蟄居謹慎処分となり古河で病死した。蕃山が再び脚光を浴びることになったのが幕末動乱の時代。蕃山の思想と行動は島津斉彬、佐久間象山、西郷隆盛、吉田松陰ら時代を動かす原動力となった人々に多大な影響を与えた。時は正に佐藤義照の活躍期と重なる。この鐔にこの歌を彫らせたのは一体誰だったのであろうか。
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