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2023年4月25日 6:24:04

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第十回 反りの起源は?

(関連リンク)

薙刀 銘 兼元

薙刀 銘 兼宣

薙刀直し脇差 額銘 備州長舩光景

【美しい反り】

日本刀の特徴の一つに、反りの美しい姿があります。
我が国の太刀に独特の綺麗な反りが生み出された背景には、東北地方で用いられていた蕨手刀の影響という可能性があると述べました。
ところが蕨手刀には、太刀よりも鉈に近い道具のような印象があります。反りの起源は、果たして蕨手刀にのみ、その起源を求めるだけで十分といえるのでしょうか?

天使顔
天使顔

【反りの効用】

反りという構造は、日本刀の切るという性能を高めています。一般的に刃物は叩いて引くという動作によって対象物を切断します。例えば反りのない刺身包丁で魚の身を切る場合には、切り下ろしながら引く作業を同時に行います。

日本刀のように反りがあると、刃物を振り下ろすだけで叩いて引くという動作が自動的に行われます。即ち引くという動作を意識的に行う必要はなく、自動的に対象物を切れるわけです。

太刀が備える反りとは、形が美しいだけでなく、突きが主目的の剣とは異なる機能を日本刀に付与するもので、剣と日本刀では武器としての本質が全く異なっているといっても過言ではないでしょう。

天使顔
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【宋との交易と日本刀】

平家が宋との交易を盛んに行っていたということも忘れることができません。
NHK大河ドラマ『平清盛』では、清盛が中国風の剣を携えている場面がありました。史実としての正否は不明です。ただ、野趣溢れる剣を道具として用いた立場から次第に洗練された太刀の所持へと変わるように、清盛を取り巻く環境変化を示しているのではないかと推測しましたが、どうでしょうか。ドラマの演出であり、日本刀という武器の形態の変遷とは関連しないでしょうが、想像をかきたてる場面として印象に残っています。

天使顔
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【青龍刀】

史実では、もっと面白いことがあります。平家が、宋との貿易で中国の青龍刀を手に入れ、我が国の主要な武器である薙刀に変化させたと考えられることです。掲載の写真は装剣小道具の小柄に描かれている青龍刀を持つ関羽の図です。

天使顔
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【青龍刀と薙刀】

僧兵が薙刀を手にしている場面はドラマでも見かけることがありますが、現実には武士の実戦的な武器として、薙刀は頗る効果があったものです。

長柄の薙刀を振り下ろされては、太刀など軽く掻き飛ばされてしまうでしょう。
写真例は、鎌倉時代前期の薙刀、南北朝時代の大薙刀、室町時代中期の薙刀です。このように深く反りの付いた薙刀は、まさに青龍刀を思わせます。

青龍刀の存在も太刀に反りが付くようになった要因の一つではないでしょうか。我が国の武器の歴史、直刀から反りのある太刀への変遷を物語るものと考えられます。

天使顔
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天使顔
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日本刀専門店 銀座長州屋

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