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月下読書図縁頭 銘 政隨

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Reading in the moonlight motif fuchigashira

Shozui

江戸時代中期 武蔵国江戸
鉄地鋤出高彫象嵌金無垢シトドメ
頭:33.2mm 縁:37.8mm
縁の腰高:12.7mm
特製桐箱入

Mid Edo period
Edo, Musashi province
Iron ground
A pair of shitodome: solid gold
Kashira: 33.2mm
Fuchi: 37.8mm
Height of fuchi: 12.7mm
Kiri box
Tokubetsuhozon

特別保存

550,000

円(税込)

縁頭

898

​No.

 蘇東玻(そとうば)であろうか。月明かりや雪明りを頼りに勉学に励み、立身出世したという江泌(こうひ)や孫康(そんこう)という人達もいる。しかし、そのような勧学の図とは趣を異にする月下読書図である。静謐で充足した空気を纏ったこの人物は一体誰であろうか。『日本刀大鑑』に同図の鐔が所載されている。笹や苔に覆われた庵とも呼べないような、木の洞か洞穴の入り口のような場所。にもかかわらず、この人物の衣装の文様は鳳凰で、しかも容貌は鼻筋が通って気品がある。蘇東玻は中国北宋の政治家。作詩に秀で、当代随一の書家でもあった。政争に敗れ、幾度も辺境に左遷、追放されたが、彼を描いた絵には不思議と悲壮感が無い。鍛えの良い鉄地を深く彫り込み、鋤き出し、金銀素銅を象嵌色絵した本作は、詳細な描写の中に芯の通った政隨らしい気概を感じさせ、生気に満ちている。縁には降り積もった雪と煌々と照る月が高彫象嵌色絵されている。実際に月明りや雪明りで書を読むのは簡単ではないだろう。理想とする心の在り様を描いたのであろうか、清々しい作である。
月下読書図縁頭 銘 政隨
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