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野草に蝶図鐔
銘 行年六十二歳高瀬栄寿〔印銘〕
Canola flowers and butterflies motif tsuba
Signed 66 years old Takase Eiju (seal)
鍔
No.
472
特別保存
450,000
円(税込)
江戸時代中期
常陸国水戸─武蔵国江戸
四分一石目地変り形高彫象嵌色絵
縦:73.3mm 横:64.9mm
切羽台厚さ:5mm 耳際厚4.2mm
上製桐箱入
特別保存刀装具鑑定書
Mid Edo
Hitachiprovince-Musashi province Edo
Shibuichi
Height :73.3mm Width : 64.9mm
Thickness atseppadai: 5mm
Thickness at mimi(rim) : 4.2mm
Kiri box
Tokubetsu Hozon
辺り一面黄色だったのだろう。菜の花も今は天を突くような鞘の中に実を結んでいる。菜種油の生産、搾油は西日本が盛んであったが、江戸や水戸でも郊外の農村に行けば当たり前に見られた光景であろう。耳に向かってやや肉を落とした四分一石目地は、不定形な縦長の印象的な変り形。水戸出身の高瀬栄壽は、初代赤城軒元孚の門人と伝えられ、後に江戸へ出て一派をなした。和漢の人物や動植物を詳細な高彫色絵で表現するのを得意とした優工である。本作においても揚羽蝶に施された繊細な色絵やアブラナの葉の写実的な描写に高瀬栄寿の卓越した技量が発揮されている。それにしても何故、花ではなく実(種)を描いたのだろうか。聞けるものなら作者に聞いてみたいものである。
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