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2023年3月8日 6:13:06

Imazu
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第八回 肌目に絡む沸の粒子

(関連リンク)

刀 銘 日州古屋之住國廣作 天正六年八月彼岸

【地に表れる沸】

沸は刃中だけでなく地鉄の中にもあることは説明しました。地沸です。
この刀においても、地沸は厚く、時に叢になって地中に点在しています。
地沸が厚くというのは印象です。地の底から湧き出すように、澄んだ地の所々に叢付き、時に白く、時に黒く沈んで観察されます。沸とはこのように白い部分と澄んで黒く見える部分の混じり合ったものです。

天使顔
天使顔

刃文と刀身彫刻の位置

刃文構成は、下部が浅い湾れに小さな尖りごころの小互の目交じり、それに比して上部の焼幅が深くなっています。
焼入れされて白く変質した刃の部分は硬度が高いために彫刻ができないことから、
彫刻を施す場合にはその部分の焼幅を浅くするのが基本です。

天使顔
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【沸の働き】

焼刃は沸が主体で、もちろん匂も複合していますが、以前に紹介した虎徹や清麿ほどはっきりとはしておらず、刃中に透明感を生み出すように淡く広がっています。刃縁(地と刃の境界)には鍛え肌に伴って引き裂いた和紙のほつれた部分のように沸が叢付き、刃中に沸が広がってはいるものの形状のはっきりしない互の目となり、これを切るように屈曲した金筋や淡い金線が走り、筋状に沸が連なり、これらの働きによって刃中に沸が島のように凝るなど、沸を主体とした濃密な働きが生まれています。

天使顔
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国広が目指した境地

帽子(鋒部分の焼刃)も、乱れ込んで沸付き、先が掃き掛けて深く返っています。
このように刃文の形状が判明できないような複雑な乱刃は、南北朝時代の相州刀に見られる特徴です。沸の強い刃文も相州物の特徴です。
これによっても、國廣の作刀の基礎は相州伝(鎌倉時代末期から南北朝時代初期の相模国に興った刀の造り方)にあると考えられます。
古伝の魅力に洗練味を加味した國廣の作風は、後の刀工にも受け継がれています。

天使顔
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天使顔
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天使顔
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日本刀専門店 銀座長州屋

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