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芦雁図縁頭 銘 明治三年午正月 鬼島明雄花押
Wild Goose in Reeds, Fuchigashira
Akio
明治三年(1870年) 尾張国
赤銅石目地高彫象嵌色絵 金無垢シトドメ
頭:36mm 縁:40mm
縁の腰高:9.8mm
上製桐箱入
Meiji 3 nen (1870)
Owari province
Shakudo
Kashira: 36mm
Fuchi: 40mm
Height of fuchi: 9.8mm
Kiri box
Tokubetsuhozon certificate by NBTHK
特別保存
-
円(税込)
No.
江戸後期から明治初期にかけての尾張に鬼島姓を名乗る二人の金工がいる。愛親と明雄である。高い技量を持ちながらも寡作なのは仕事を選んだせいなのか、それとも時代のせいか。
青味を帯びた上質な赤銅地に詳細で精緻な高彫象嵌色絵で趣深い水辺の情景を描いている。微細な石目地は水辺のしっとりした空気感を、短く密な線刻は湿地や岩、磨地に毛彫りで水流を。同じ素材に異なる技法で背景を表し、それぞれが互いを引き立てあっている。縁では、手招きするように揺れる金色絵の芦を前にして二羽の雁が空に向かって鳴く。それに呼応するように頭では今まさに二羽の雁が降り立とうとしている。雁は朧銀地の高彫象嵌で嘴と足、瞳に金色絵が施されている。芦は赤銅地高彫象嵌に金色絵。激動の時代にあって変わらずに訪れた季節の使者。
この縁頭が作られた明治三年三月に政府は一般人が帯刀することを禁じた。その後明治九年三月二十八日、大礼服着用者、勤務中の軍人、警察官を除く者が帯刀することを禁じた、いわゆる「廃刀令(または帯刀禁止令)」が発布された。本作は縁幅40mmもある大刀用でシトドメは金無垢地。誰のどんな刀への需だったのだろうか。
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