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菊水花筏図鍔(鐔)
銘 越府之住善陳作 延宝三暦 初冬作
Tsuba "Chrisanthemumc is going down the river"
Signed Etsu-fu-no-ju Yshinobu saku Enpo-3-reki Syoto saku
鍔
No.
726
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-
円(税込)
延宝三年(1675年) 越前国大野住
鉄石目地竪丸形小透肉彫地透毛彫
露象嵌土手耳
縦:78.5mm 横:75.8mm
切羽台厚さ:4.8mm
耳際厚さ:3.5mm
特製桐箱入
保存刀装具鑑定書
A.D.1675 Echizen province Ouno
Iron
Height : 78.5mm Width : 75.8mm
Thickness at seppa dai : 4.8mm
Thickness at rim : 3.5mm
Special kiro box
Hozon
明珍、春田、長曽根など優れた甲冑工を輩出した越前国。善陳(よしのぶ)は明珍出身と伝えている。鍛えの良い地鉄は微細な石目地仕上げの竪丸形で耳は土手耳仕立て。場面展開が大和絵のようであり、その透し際の処理も洗練されている。周囲を軽く鋤いて紋様を際立たせ、桜花は陰と陽。桜の小透が甲冑師鐔を彷彿とさせるが、形は引き締まって端麗。肉置き豊かに膨らみ絞られる水の流れは流麗。ふっくらと花弁が際立つ菊花、中心を低く明確に葉脈を毛彫りした菊葉。文様風であると同時に彫金なればこその実体感がある。春の桜に秋の菊。単純に考えれば春秋を代表する美の競演「錦繍文」。少しひねくれて深読みすると不老長寿の象徴菊水伝説と浄土の象徴でもある吉野川の花筏。善陳は何を思っていたのだろうか。『刀装小道具講座』には、「延宝三年の年紀のあるものがあるというがこれは未見である」との記述があるが、本作が正にその年紀作である。「延宝三暦 初冬作 越府住善陳作」と鮮明に刻銘された本作は作者の特別な思いが伝わりくる貴重な一鐔である。
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