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日本刀の販売 買取のご相談は日本刀専門店銀座⻑州屋
文様散鍔(鐔)
無銘 平安城象嵌
Scattered patterns
Unsigned Heianjo zogan
鍔
No.
2133
保存
160,000
円(税込)
桃山時代─江戸時代初期
鉄槌目地丸形高彫真鍮象嵌
縦:70.5mm 横:69.4mm
切羽台厚さ:3.6mm
耳際厚さ:3.2mm
上製桐箱入
momoyama period -early Edo period
Iron
Height: 70.5mm
Width: 69.4mm
Thickness at seppadai: 3.6mm
Thickness at mimi (rim): 3.2mm
Kiri box
NBTHK certificate: Hozon tosogu
そもそも犬が画題として取り上げられることが珍しい。しかも時代の上がる鐔に、である。画題としての犬は、じゃれあう仔犬や、座頭に絡む野犬、野晒とともに描かれる餓狼などが典型。本作のような猟犬が描かれるのは極めて珍しい。蓑笠を付けた人物の後を追う犬の全身から嬉しい楽しい気持ちが伝わってくる。絵風鐔への過渡期と考えられる作。引き締まった小振りの鉄地全体に展開する真鍮地高彫象嵌は、それぞれ関連性があるのか無いのか不思議な取り合わせである。しかも木賊を刈る人よりも巨大な海老やカマキリ、野菊など、何を基準としてそうなったのか、できることなら作者に聞いてみたい。現代の感覚では捉えきれない面白さが凝縮されている。実用の点からの不思議は小柄櫃に設けられた鉄地の当て金である。小柄のためなら柔らかい銅を用いた方が良いのではないか。全体の色合いを変えたくないという美観を追求してのことだったのだろうか。謎多き鐔の最大の謎を最後に。裏面の茎櫃周辺の一部に魚子が撒かれているのだ。赤銅魚子地の古金工や古美濃の鐔の切羽台には、試し打ちであろうか、稀に数条の魚子が撒かれていることがあるが、鉄地の切羽台に魚子が撒かれているのを初めて見た。滑り止め?どなたかご存知ならご教示願いたい。
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