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南蛮船図鍔(鐔)
銘 永井弁己 宝十二年八彫
Tsuba "Nanbansen"
Signed Nagai Benki Ho 12 nen 8 horu
鍔
No.
953
保存
-
円(税込)
宝暦十二年(1762年)
鉄地丸形高彫象嵌色絵
縦:74mm 横:74mm
切羽台厚さ:4.8mm 耳際厚さ:4.5mm
上製桐箱入
Horeki 12 nen (1762 AD)
Iron
Height: 74mm
Width: 74mm
Thickness at seppadai: 4.8mm
Thickness at mimi (rim): 4.5mm
Kiri box
永井弁己とは誰であろうか。今のところ全く情報が無い。銘文の「宝十二年八彫」は、おそらく製作年のことであろう。宝暦十二年(1762年)、十八世紀半ばである。徐々にオランダとの貿易は衰退していったのだが、八代将軍吉宗がキリスト教関係以外の洋書の輸入を緩和したので、日本に学術洋書が輸入されることとなった。杉田玄白が『解体新書』を発行したのが安永3年(1774年)、本作の製作年から8年後のことである。この鐔は、表側と裏側で西洋と東洋、異なる世界を描いている。風を受けて帆をいっぱいに張り進む大きな船は新しい知識や文明を運ぶもの。対して静かな入り江と四阿は東洋の思想や理想とする世界を象徴している。興味深いのは波の表現である。手前の波を太く強い線で、奥に行くにしたがって細く浅い線となる。このような遠近の表現を刀装具ではあまり実見したことがない。小社蔵の庄内藩工横谷宗寿の手になる業平東下り図大小鐔くらいであろうか。大きく変わりゆく時代の前触れを感じさせる作品である。
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