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三聖吸酸図鍔(鐔)
銘 直丈
Tsuba "The Three Saints tasting vinegar"
Signed Naotake
鍔
No.
2027
特別保存
280,000
円(税込)
江戸時代後期 武蔵国
鉄地竪丸形鋤出高彫象嵌色絵
縦:86.2mm 横:81.4mm
切羽台厚さ:3.3mm
耳際厚さ:5mm
特製桐箱入
特別保存刀装具鑑定書
Late Edo period
Musashi province
Iron
Height: 86.2mm
Width: 81.4mm
Thickness at seppadai: 3.3mm
Thickness at mimi (rim): 5mm
Special kiri box
Tokubetsuhozon certificate by NBTHK
過剰と思えるほどの装飾だ。点景、背景、装束の文様が色味を変えた金象嵌で隙間を埋め尽くすようにちりばめられている。この作品の主題を装飾に埋もれさせて隠したがっているのではないかと思うほどだ。
大振りの鉄地竪丸形の中央に薄肉彫りで酢の入った大甕を据え、それを囲むように釈迦(仏教)、孔子(儒教)、老子(道教)の三聖人が立っている。何やら楽しそうで、特に中央の釈迦は歯を見せて大笑いしている。「三聖吸酸(さんせいきゅうさん)」または「酢吸三教(すきゅうさんきょう)」と称されるこの図は、誰が舐めても酢は酸っぱいように、教義や宗教が違っても真理は一つであるということをわかりやすく表している。室町時代に中国から伝えられたこの図は禅画で好まれ、後に寺社建築の彫刻にも採られている。裏側は鋤き出された岩の間を清冽な水流が迸る。清らかな水の流れを遠近、高低で奥行きを出した金象嵌の草木が鮮やかに彩っている。
武陽住と銘する直丈は、作品の類例は少ないが、本作の見事な象嵌技術や表情豊かな人物描写を見れば優れた金工であったことがよくわかる。
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