新商品のご案内 脇差 加陽金府住炭宮兼則(大業物)
加賀国 元禄頃(江戸時代中期)約320年前
加賀友禅や漆器など芸術・文化が花開いた加賀国は、一方で武士たちの刀の切れ味への要求は強く、切断銘入の作も少なくなかった。美濃から加賀国へ移住した炭宮兼則(たんぐうかねのり)は、は刃味優れた作を手掛け、大業物に列せられている。 この脇差は作之丞兼則の作。 地鉄は小杢目肌に流れごころの肌を交えて詰み、地景細密に入り、小粒の地沸厚くつく。 刃文は直刃調。片落ち風の刃、小互の目、小丁子が連れて花びらのような形となった刃を交えて僅かに逆がかり、沸が積もって刃縁が明るく、逆足盛んに入り、微細な沸の粒子が充満して刃中は冷たく澄んで締まり、刃味の良さを想起させる。 茎の保存状態は良好で、先は極端に強い刃上がりとなり、加賀新刀の特色が顕著。
備前景光を念頭に製作された作であろう。
九字の刻まれた加州ハバキが附されている。