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鞭図大小柄 無銘 顕乗

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A bamboo whip motif large kozuka

Kenjo

江戸時代初期 山城国京都
赤銅魚子地高彫金銀色絵裏金削継
長さ:112.3mm 幅:17.8mm
神谷紋洋氏箱書 「顕乗 大小柄 鞭之図 昭和乙巳年(四十年)」
阿弥屋野田喜代重翁箱書
Early Edo period
Kyoto, Yamashiro province
Length: 112.3mm
Width: 17.8mm
Hakogaki by Kamiya Monyo says "Kenjo large kozuka a whip motif March, 1965."
Hakogaki by Amiya Noda Kiyoshige
NBTHK Tokubetsuhozon

特別保存

400,000

円(税込)

小柄

2059

​No.

 後藤宗家の中でもとりわけ技量が高いといわれる祐乗、光乗、顕乗。共通しているのはやや小振りで引き締まった造形と独創性である。本作を見てまず驚くのはその大きさと形状であろう。戸尻が丸く縁のない棒柄は、後藤宗家においては珍しい。棟方をやや長くし、戸尻を斜めに丸くするという、ちょっとした工夫が格好良さの秘訣か。なだらかな曲面にまで微細な魚子が撒かれ裏は金の削げ継となっている。先端が細く、持ち手に豹革を巻いた竹製の鞭は際端が絞られ、立体的で写実的。何か圧倒されるような、畏敬の念を抱かせる作である。通常の小柄よりもかなり大きな本作はいわゆる「慶長拵」用の特別な需によるものであろう。顕乗には、長さ13cm弱、幅2.85cmの画面の中に、およそ六十人の人間と七基の神輿を彫り描いた山王神輿船渡御図大小柄がある。津軽家に伝来した未使用の大小柄の大作である。趣は異なるが、尋常ならざる気配は共通している。得難い作である。
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