雀海中蛤図小柄 銘 紋通乗 光美(花押)

小柄
​笄

 雀海に入りて蛤となる。秋も深まりつつある頃の海辺に雀の集まり来る様子を詩的な視点で彫り描いた小柄。後藤宗家十一代通乗の作であることを、同十五代光美が極めている。綺麗に揃った粒の小さな魚子地は、色合い黒くしっとりとして後藤家が求める美の要。高彫された蛤はふっくらとして、銀の波も躍動的かつ清浄感がある。雀の飛翔する姿、意匠構成から細部まで、総てにおいて彫口が丁寧で、描写も立体的。
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