上質な赤銅地に微細な魚子を撒いた獅子図は常とは違う構図が面白い。大森派の唐獅子であるが、打ち出し強い高彫のそれは、頭では岩を抱き込むようにして上体を反らせ上にいる何かを見つめている。一方、縁の獅子も岩に張り付き何かを凝視している。肉高くメリハリのある彫り。鮮やかな黒と金の対比が緊張感をさらに高めている。縁は39mmある。