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群犀図三所物 小柄・笄 銘 紋光乗 光孝(花押)附寛政十年代七百貫光守折紙
Kojo
桃山時代 山城国京都
目貫 金無垢地容彫 表32.5mm 裏31.5mm
小柄 赤銅魚子地金紋裏板金哺
長さ97.5mm 幅14.7mm
笄 赤銅魚子地金紋裏板金哺 長さ212mm 幅12.8mm
Momoyama period Kyoto city, Yamashiro province
Menuki: Solid Gold
Omote-menuki : 32.5mm Ura-menuki : 31.5mm
Kozuka : Inlaid solid gold motifs on the Shakudo basement
Length : 97.5mm Width : 14.7mm
Kogai : Inlaid solid gold motif on the shakudo basement
Length : 212mm Width : 12.8mm
Special wooden box
Origami was published by Mitsumori in 1798 (Kansei 10).
重要
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円(税込)
No.
後藤宗家四代光乗作、群犀図の三所物。描かれているのは水犀(通天犀とも)という想像上の瑞獣。「体は馬、四肢と尾は牛、背には亀の甲羅を持ち、額には大きく鋭い一本角を生やす」と描写されている。龍や獅子、鳳凰や麒麟ほど周知されてはいないが、日光東照宮の霊獣、瑞獣の彫刻にも水犀が見られる。一説には火伏の役割があるといわれている。「鳥獣人物戯画」制作以前に渡来した正倉院御物、「平螺鈿背円鏡」には獅子と共に私たちがよく知っている姿に近いサイ(おそらく二本角のスマトラサイであろう)が螺鈿細工で描かれている。また、今から三千年以上前の中国商代晩期に制作された青銅器の酒杯、「小臣艅犀尊」にも二本角で体毛のあるスマトラサイが写実的に表現されている。この時代には中国南部にもまだサイが生息していたのである。水犀のモデルはスマトラサイだったのであろうか。この金無垢地容彫陰陽根の目貫は光乗らしい引き締まった造形で、掌にすればずっしりと重い。表目貫、裏目貫にそれぞれ五頭、笄にも五頭、小柄には八頭、計二十三頭の水犀が互いに目を見交わし、跳ねるように躍るように駆けている。初代祐乗に次ぐ上手といわれる四代光乗の見事な三所物に十四代桂乗光守が代七百貫という高額な値を付けて折紙を発行している。代付をして折り紙を発行するという行為は刀剣鑑定の本阿弥家と装剣小道具の後藤家しかなかった。織田信長に仕え世界最大の金貨である大判を造り、激動の時代に才能を発揮した光乗。その光乗の手になる瑞獣水犀の稀有な三所物である。
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