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風神雷神図鍔(鐔) 銘 奈良重治作

 風袋をいっぱいにはらませて天翔ける風神は、どこか憎めない愛嬌たっぷりの姿かたち。体の中心を最も高くし、彫り口は垂直、際を滑らかに仕上げ、柔らかさを出している。逆立つ髪の間からのぞく角、牙、風袋の文様などは金の本象嵌。激しく波立つ海と渦巻く雲、その間にある透が空間に広がりを生み出している。雷神は雲の中の留守模様か。雷文を崩した稲光の表現がモダンで面白い。色味を変えた金平象嵌は本象嵌である。耳には赤銅の縄目覆輪がかけられ、拵装着時の美観も考慮されている。重治は奈良派三代目利永の門人。同じ絵風でも正阿弥派とは一線を画す重厚さがある。

風神雷神図鍔(鐔) 銘 奈良重治作
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