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野鯉図刀掛

 波飛沫を上げて飛び跳ねる野鯉。これにつれて湖面が激しく波立ち、藻草も宙に躍る。生命感に溢れたその場面を活写した綺麗な刀掛。全面を黒漆で仕上げ、要所を細かな金梨子地塗として重厚感を高め、前面にこの自然の営みを蒔絵表現している。鯉と藻草は薄肉の盛り上げ仕上げながら立体感に富み、金銀粉の蒔絵に目玉のみ黒漆付描。湖面は濃淡変化のある蒔絵で動きがあり、崩れ落ちる波頭も鯉の力強さを一際印象深く見せている。鯉のいる背景は湖水の空気感を表現したものであろう、黒漆地に金銀の叢梨子地。裏面は金梨子地塗無文。 

野鯉図刀掛
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