近江八景図縁頭 銘 細野惣左衛門政守(花押)

 細野政守は、朧銀地に毛彫平象嵌の手法で京都近郊や近江辺りの風景をパノラマ風に表現した金工。この縁頭は、赤銅魚子地に高彫の技法を駆使し、近江八景の各場面を組み合わせ、わずか一寸に満たない空間に奥行き感と立体感を鮮明にして見事に彫り描いている。微細な魚子が打ち施された棚引く雲と琵琶湖のさざ波が屏風絵を想わせるばかりか、画面に自然な動きを与えている。

近江八景図縁頭 銘 細野惣左衛門政守(花押)