菊花透図鐔 無銘 赤坂忠時

 精良な鉄地を碁石形に造り込み、総体を菊花状に、また透かしを施して耳の内側にも菊花を配し、風に揺れるような菊の様子を題材に洒落た空間を演出した作。時代の上がる菊花は放射状の線を専らとするが、ここでは曲線を構造に採り入れて動きと妖艶さを極めている。総体を陰影としながら、一枚の葉のみを陽に表現しているのも洒落ている。赤坂八代あるいは九代の作と鑑せられる。

菊花透図鐔 無銘 赤坂忠時