芦雁図鐔 銘 安親 

 出羽国酒井家に仕える武家の出であった安親は、同家老松平内膳の次席用人などを務めた知識人でもある。金工芸術に目覚めて職を辞したものの、幼い頃から培った学問は後の創作に大いに役立ったであろう。禅については学ぶというより、武士が備えるべき教養として自然に身に付いたもの。芦雁図との出会いはいかなる状況か不明だが、江戸時代には古画に倣った作だけでなく、禅的な要素から離れ煌びやかに彩色された狩野派の障屏画、町絵師の描いた芦雁図などもあり、安親の創造力を活性化させるに事欠くことはなかった。

芦雁図鐔 銘 安親