砂潜龍図小柄 銘 後藤廉乗(花押)

 後藤宗家十代廉乗の在銘作。後藤家の伝統とも言うべき這龍を題に採り、魚子地の砂を潜って現れた姿を迫真の場面に仕上げている。魚子地は抑揚のある地面に打ち施されて強弱変化があり、鋭く立てた爪の先端が砂中に埋もれている様子に動きが感じられ、また、宙を刺す鰭の鋭さに加え、尾の先端の剣に力が籠り、総体の構成線に迫力がある。顔つきも険しく後藤の伝統そのもの。裏板は贅沢な金地仕上げとされている。廉乗は即乗の四男で、承応元年に家督を相続。寛文二年に江戸定住を命じられ活動の場を京から移している。

砂潜龍図小柄 銘 後藤廉乗(花押)