田舎家図鐔 銘 鳥府住正充

 田舎家に絡みついた瓜の蔓が宙をさまよっているかのように延びた、夏の日差しが感じられる作。色合い黒々として質の良い地鉄をわずかな碁石形に造り込み、彫り下げと鋤き出しの技法を組み合わせて薄肉ながら立体的高彫とし、要所に金布目象嵌を施して情感豊かな景色としている。一幅の絵画を見ているような、穏やかな気持ちとなる作品である。浅見正充は和平太といい、因幡鳥取藩の抱工。代々が藩の細工師として仕えており、文化三年に家督を継承している。

田舎家図鐔 銘 鳥府住正充