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獅子図二所(小柄・笄) 銘 後藤悦乗花押

 金一疋獅子据紋の彫が見事なのは言うまでもないことだが、仕立が実に洒落ているのである。耳かきと蕨手の周囲のみに金色絵を施した笄、初めから袖小柄の造り込みとした小柄、いずれも赤銅地と金のバランスが絶妙。阿吽の吉相を表す金一疋獅子は、拵に装着した時、互いに目線をかわすように配置され、紋高く引き締まった造形で、大きすぎず、小さすぎず、全体と調和して、後藤家の品格、洗練を表している。悦乗は、後藤宗家九代程乗の次男で、加賀前田家から百五十石を支給され、演乗と隔年で金沢へ赴き、加州金工の発展に尽力した。後年は江戸下谷に屋敷を賜り、徳川幕府の用達も行った。悦乗の正真作は世に稀なものである。

獅子図二所(小柄・笄) 銘 後藤悦乗花押
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