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波龍に迦陵頻伽図鐔 無銘 平安城象嵌

 飛翔する迦陵頻伽と龍神の対比は如何なる意味を備えているのであろうか、興味深い図柄。平坦な鉄地に簡素な図様を真鍮地などで彫り描く平安城象嵌鐔が隆盛した桃山時代、新たな文様も生み出された。土手耳の甲冑師風に仕立てられたこの鐔は、表が迦陵頻伽と龍神、裏面に伝統的な唐草風の枝菊。いずれも古くから仏具などにも採られた装飾であるが、これら三つの要素が組み合わされている作は平安城象嵌鐔では類例がなく、特別な注文による唯一の作であろう。総体に欠落がなく健全である点も貴重。

波龍に迦陵頻伽図鐔 無銘 平安城象嵌
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