波図鐔 無銘 西垣勘四郎

 初代西垣勘四郎に特徴的な、毛彫を加えない泥波と呼ばれる躍動感に満ちた波文が肉高く彫り出された作。勘四郎は慶長十八年の生まれで、細川三斎の美学を具現化する作業に従事し、肥後金工の一翼を担って特殊な世界観を展開した。波は止むことなく繰り返しているところから永遠の生命を暗示する図柄。この鐔の真鍮地は時を重ねて色合いに深味が感じられ、独特の光沢を呈している。質素な中にそこはかとなく漂う華の感じられるところも茶に通じた肥後金工の特質。 

波図鐔 無銘 西垣勘四郎