正月図縁頭 銘 東吟亭義照(花押)

 佐藤義照は文政十一年の生まれ。荒木東明と後藤光文に彫金を学んで、伏見宮家に出入りを許されていた佐藤東峯の婿になっている。この縁頭は、銀灰色の美しい朧銀地を磨地に仕上げ、正確な描写からなる高彫に金銀赤銅の色絵象嵌を駆使し、正月の風物を写実表現した作。頭は若松に初音の鶯であろうか、春駒に根曳の松と羽子板を彫り描いて正月の街を想わせる取り合わせとしている。繊細な彫口に加え、色金の美しさによって題材が活きいきとしている。

正月図縁頭 銘 東吟亭義照(花押)