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枝垂れ桜蒔絵太刀掛

 太刀掛の総体を金と銀の梨子地塗りに仕上げ、春爛漫の枝垂れ桜を量感のある盛上蒔絵で表現した華麗な作。木瓜形の台座に支柱は桜の枝を想わせる曲線構造で、首の部分は洲浜形。台座と首の端部には小縁を設け、これを金泥塗りとして図柄を際立たせる効果を持たせている。枝垂れ桜の幹と枝も高彫で、褐色の古木は墨粉と金銀粉の蒔絵に加え金泥、金の切金を散らして生命感のある光景とし、枝の切り口には厚手の金切金を施している。萌え出たばかりの若葉は金蒔絵、開きかけた花房と蕾には金に朱粉を加えて桜の微妙な色調を再現している。満開の花弁は高彫に金銀の切金を配し、その花芯のみ金粉蒔絵。濃厚な金色に対して銀地は黒化して落ち着いた風情を呈するところが魅力。いずれも深みのある光沢を湛えており、時を重ねて配色にも妙味が溢れ、妖艶な趣さえ漂わせる作品となっている。

枝垂れ桜蒔絵太刀掛
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