村上義光奮戦図小柄  銘 安達幽齋

 幽齋は後藤一乗に学んだ和田一真の門人。三十二歳で師が用いた幽齋の号を切ることを許された名工。片切彫と平象嵌を組み合わせて彫り描いた歴史人物図を得意とした。この小柄は、護良親王が般若寺から熊野へ逃れる際に奪われた錦の御旗を、義光が強力で奪い返した場面。極上の朧銀地は表面の光沢が強く美しく、片切彫の線描にも力があり、描かれている人物はいずれも躍動的。遠く投げ飛ばされた兵が裏面で宙に舞っている。
特別保存刀装具鑑定書

村上義光奮戦図小柄  銘 安達幽齋