月下葛屋干網図縁頭 無銘 伝西垣勘四郎

 芦原の向こうに網の干されている水辺を描いた縁に、鋭い短刀のような三日月と、ほころび始めた梅、東屋の頭。鄙びた中にも雅趣の漂う風景の取り合わせからなる、西垣勘四郎と鑑られる縁頭。時を重ねて山銅のように渋い光沢を呈する真鍮地独特の風合いは勘四郎が好んだところ。形成した鎚の痕跡を残す地面はなだらかで、薄肉彫に繊細な金布目象嵌が過ぎることなく、月の陰となった東屋は色合い黒い銀象嵌、梅樹は消え入りそうな優しい鋤彫。

月下葛屋干網図縁頭 無銘 伝西垣勘四郎