top of page

月下漁師図小柄  銘 一柳友喜(花押)

 葦の茂る湖水を帰舟の漁師。水辺に生きる人々に視線を向けた、世相とその時代背景まで映し出している作。友喜(ともよし)は、水戸を代表する一柳友善近縁の工、あるいはいずれか友善の前銘であろうか、興味深い銘である。質の良い朧銀地を微細な石目地に仕上げ、肉高い鋤出彫で舟縁に立って竿を操る漁師の姿を捉え、夕月とその光に浮かび上がる雲を金銀の平象嵌で描いている。図は際端を経て裏面にまで連続しており、鋤彫に薄肉彫を施して時鳥を添え描いている。湖面は次第に天地の境も判らなくなり、静かに暮れてゆく。

月下漁師図小柄  銘 一柳友喜(花押)
bottom of page