布袋図目貫 無銘 後藤(桃山時代)

 禅僧として遍く知られる布袋和尚は、我が国では殊のほか人気が高く、茶席を装う軸物などの好画題とされている。人々に投げかける暖かな視線とその根源を成す生き方が何ものからも自由であることから、多くの人々の憧れとなった。桃山期の後藤宗家六代栄乗の作と鑑られるこの目貫は、極上の金無垢地を薄手に肉取りし、裏からふっくらと打ち出して山高く、表には鏨を打ち込んで谷深く処理し、顔にも衣服にも繊細な鏨を加えて穏やかな表情を鮮明にしている。

布袋図目貫 無銘 後藤(桃山時代)