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富岳松原図小柄笄二所 銘 篤行製之

 篠山篤行(とくゆき)は幕末の名工篤興の弟。俳諧師であった父の感性を受け継いだものであろう、瀟洒な作品を遺している。この二所は遍く知られる三保の海辺に取材したもので、帆掛け舟が過ぎゆく松原と、大らかに流れる雲間に富岳を眺める構図。しっとりと落ち着いた色合いの朧銀地を高彫とし、駿河の大海は穏やかな風が吹き抜けているかのように優しく表しており、松林の連なる様子も海辺独特の空気感を伝えている。これに比して雪を頂く富岳は雄大。赤銅、金、銀の色金のすっきりとした組み合わせが見事。

富岳松原図小柄笄二所 銘 篤行製之
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