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塔に源氏香梅図鐔 無銘 鎌倉

 鎌倉鐔は、独特の草体化された心象風景の組み合わせに妙味があり、数奇者愛玩の対象とされている。この鐔は、鉄色黒く渋い光沢があり、弾いた響音も古調で時代の上がる風情を備えている。描かれているのは宝篋印塔(ほうきょういんとう)と蕨手風の萌え出た新芽を主題に、梅花と源氏香のような文様で、これらに桜花石目地を施した鉛を象嵌している。宝篋印塔は死を、新芽は新たな生命を、即ち戦国期を生き抜いた武士の死生観を暗示した作である。

塔に源氏香梅図鐔 無銘 鎌倉
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