四君子図鐔 銘 市柳舎人勝光造

 雪の洞から眺めているように、耳際を独特の仕立てとしたのが東龍斎派の諸工。市柳舎人勝光と銘するこの金工も、その影響を少なからず受けたものと思われる。精良な地鉄をなだらかに仕上げて微細な石目地を施し、菊花と蘭を高彫金銀象嵌の手法で夜陰に香りが立つように彫り描き、裏には降りしきる雪の中に清楚に佇む梅と筍を、これも高彫金銀の色絵象嵌で表している。春遠からじ、牡丹雪にもやがて訪れる春の空気が窺える作品となっている。

四君子図鐔 銘 市柳舎人勝光造