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傀儡師図鐔 銘 古川常珍(花押)

 下町に居住した古川常珍(ふるかわ つねたか)は、江戸の街を行き交う人々を取材し、その風俗的側面に視点を置いた多くの作品を遺している。この鐔も、傀儡子(くぐつし)とも呼ばれる人形使いの旅芸人と、これに集まる子供達を彫り描いている。朧銀地を丸形に仕立てて表面を石目地に仕上げ、主題の輪郭をわずかに鋤き下げて高彫にし、金銀素銅の濃密な色絵と平象嵌を加えて街の賑わいを表現している。飴玉を買って人形芝居を見るのであろう、待ち焦がれていた子供の表情、傀儡子の子供を見る視線も穏やかで優しさに溢れている。

傀儡師図鐔 銘 古川常珍(花押)
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