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五三桐紋散図鐔 銘 江川利政(花押)
江川利政は安永三年水戸の生まれ。横谷英精に師事し、後に桂永壽にも学んでその養子となった。久留米藩有馬家に抱えられ、後に宗隣と改銘、八十歳以上の長命であった。この鐔は、極上質の鉄地を微細な石目地に仕上げた、耳際がわずかに薄い上品な造り込み。鉄色に深みがあり、錆味にも品位が感じられ、ふっくらとして量感のある金と赤銅の桐紋が鮮やかに浮かび上がる趣向。耳に雲状の筋彫りを施し、金布目象嵌を廻らして拵に掛けた際の美観をも考慮した仕上げとされている。
保存刀装具鑑定書

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