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予譲図鐔 銘 明義(花押)
陸奥国岩城の名工明義(あきよし)は河野春明にも学び、山水風の風景図や写実的人物図、風情のある植物図等を得意とした。この鐔は、主君に対する義の為に死んだ中国春秋戦国時代の武人予譲(よじょう)を描いた作。「士は己を知る者のために死す」の句で知られる予譲は、主君の仇討を謀ったが決せず捕えられる。最期の時、敵将の衣服を借りると、その衣服を切り裂いて主君の仇討ちを果たしたとし、自らをその剣で処したのである。この場面を彫り描いた本作は、鍛え良い鉄地に精密な高彫象嵌を施し、予譲の覚悟の表情までも鮮明に表している。

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