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七ツ星に雲透図鐔 銘 八代甚吾作 六十七歳茂永

 五代目甚吾は志水茂永と称し、初代の作風を踏襲した古風な鐔を遺している。その一方、時代が変化しつつある中で独自の図柄を創案した江戸後期の肥後を代表する名工である。この鐔も、北斗七星を意匠に採り入れたもので、ふと見上げた夜空を流れる雲と、その雲間に輝く星々が印象的。糸透で星を繋ぎ、極細の透かしを施す技術力をも示している。鉄色黒く、表面を平滑に仕上げて渋い光沢に包まれている。切羽台辺りを厚く、耳際を薄手に仕立てた碁石形の造り込みも、滑らかな表面と絶妙の美観となっている。

七ツ星に雲透図鐔 銘 八代甚吾作 六十七歳茂永
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