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すずな・すずしろ図透鍔(鐔) 無銘

 大振りでやや横広がりの安定感のある丸形。鍛えの良い地鉄は色合い黒々として引き締まり、切羽台から耳に向かって肉を落とす。やや下側が張った大きな小判型の切羽台を挟んで踊るように配された春の七草、すずな(蕪)とすずしろ(大根)。詳細な肉彫地透と毛彫が野草としての姿を今に伝えてくれる。節と筋のある細く引き締まった耳は芹であろう。早春の香りと記憶が思い起こされる。

すずな・すずしろ図透鍔(鐔) 無銘
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