桐・七星亀甲文図鐔 無銘 鏡師


 

 
室町時代 山銅地丸形
 

 
縦69㎜ 横65㎜ 切羽台厚さ1.6㎜ 耳厚さ4.4㎜
 

 
寒山箱書 上製落込桐箱入
 

 
特別貴重刀装具

成約済
 

傾いだ笄櫃の形状から室町時代の鏡師と極められる作品。磨滅の程度によって微妙に山銅の色に変化があり、所々山吹色が表れている。この部分は粗見すると金色絵あるいは金象嵌が施されているように錯覚するのだが、実際は黄銅に近い山銅(やまがね)の色が露出しての色彩変化である。
 

 

 
加えて、両櫃穴には櫃の周囲に小縁が設けられていることから小柄・笄櫃が共に生ぶの穴であると推考される。図柄は桐紋と亀甲文、七星などの吉祥文をバランスよく布置し、五三の桐紋の蕾など山高い部分には手擦れで地金の金色が程よく、且つ自然に表出している。ここに磨滅による色金の変化をデザインとして活用するという古の製作者の意図が秘められているようにも思える。決して高価ではないが、魅力の高い鐔として推奨したい。

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